飲用乳の表示

表示に関するQ&A

一括表示欄に、牛乳の無脂乳固形分や乳脂肪分は「○○%以上」と書いてありますが、加工乳や乳飲料では「○○%」と表示され「以上」がありません。なぜ違うのですか。

乳牛は生物です。メス牛が妊娠し仔牛が生まれるとオッパイが出始めます。これを「生乳」といいます。

生乳の成分は、メス牛の個体差、乳牛の遺伝的要素、出産してからの日数、乳牛の体調、環境(温度など)、飼料(エサのことです。)等により違ってきます。

また、乳牛は暑さに弱いので、夏場は無脂乳固形分や乳脂肪分が下がり、冬場は無脂乳固形分や乳脂肪分が上がります。

牛乳は成分を調整しませんので、これらの自然変動が製品に現れます。このような変動があるために、「牛乳」は“その数値を切ることのない最低値”に“以上”をつけて表示することになっています。

加工乳や乳飲料は、原料を配合して作られる製品なので成分値は調整でき、固定値で表示することになっています。一定の成分値の飲用乳が飲みたいなら加工乳や乳飲料をおすすめします。

商品によって殺菌温度がまちまちですがどうしてですか?

「乳等省令」という法律で、殺菌は、「保持式により摂氏63度で30分間殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること。」と決められています。製造者は風味、期限表示の期間等を考慮して、乳等省令の基準を満たす具体的な殺菌条件(温度、時間)を決め、特徴ある飲用乳づくりをしています。

成分調整牛乳を買いました。無脂乳固形分が8.4%以上、乳脂肪分が2.0%でした。なぜ乳脂肪値は固定値で、無脂乳固形分は以上表示なのですか?

成分調整牛乳は、生乳の成分の一部を取り除いたものです。生乳の成分は年間を通じて変動します。生乳から乳脂肪の一部を人為的に取り除くときは乳脂肪率を一定にできますので、固定表示します。

無脂乳固形分を取り除かなければ、無脂乳固形分は生乳成分の自然変動に左右されますので、固定表示はできません。そこで、~以上表示をしています。

無脂乳固形分って何ですか?

牛乳の成分を分類すると以下の図のようになります。牛乳から水分を除いたものを乳固形分と呼びます。この乳固形分は乳脂肪と無脂乳固形分に分類されます。無脂乳固形分には人が生きるために必要な栄養成分としての、たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラル(カルシウム、リン、カリウム等)が含まれています。

牛乳の成分

「牛乳」の容器に「成分無調整」と書いてあるのと、書いてないのがあるのですが、「成分無調整」と書いていないものは、調整をしているのですか?

成分を調整していないものが「牛乳」です。ですから、「成分無調整」の表示の有無に関わらず、「牛乳」は成分無調整です。一方、「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」は乳脂肪分等を調整しています。これらは、「一括表示欄の種類別名称」や「商品名の横にある種類別名称」で区別できますので、見てください。

容器に「ノンホモ」と表示されていました。「ノンホモ」とはなんですか?

生乳中の乳脂肪は約1~10ミクロンの大きさの粒で生乳中に分散しています。店舗で販売されている多くの牛乳は、乳脂肪が浮上するのを防止のために、生乳をごく狭い隙間を高い圧力で通過させて脂肪球を細かくする操作(これを「均質化(ホモジナイズ)」といいます。)を行っています。これに対して、均質化を行わずに製造された牛乳が「ノンホモ(牛乳)」です。この牛乳は静置すると乳脂肪が浮いてくるのが特徴です。

「○○高原牛乳」、「○○地域限定牛乳」など、地域の名称を折り込んだ商品がありますが、表示の基準はどのようなものですか。

それらの商品に使用する原材料は、全て表示した地域の生乳のみ使用できます。また生乳の原産地名を商品名に使用できるのは、「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」に限られます(原材料が生乳100%の商品)。